シャープのマスク販売が中止になった原因について

新型コロナウィルスの影響でマスクが手に入らない方は多いのではないでしょうか?

私もそんな一人で、手持ちのマスクはほぼ使い切り、布マスクを洗って再利用している状態です。

朝に近所のドラッグストアに行ってもおじいちゃんおばあちゃんが音速のごとく早い時間に並んでいる光景が多く、争いに負け続けている日々であります。

そんな中、目のつけどころがシャープだね、のSHARP様が国内でのマスク生産を行い、4/21日10時より自社サイトで販売することを発表しました!ココロオドルわたし。嫁からは予想通り購入指令が下りました。

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(テレビを見ながら)シャープがマスク販売するんだって~

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へぇ~!すごいねシャープ
(あかん、この流れ、あかん)

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じゃよろしくー!!買っといてねー

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(汗汁ぷしゃー)

ようやくマスクが手に入る!!そう思っていた時期がありました。

結果:4/21日、当日のみをもって販売を一時停止

どないしたんやシャープさん!マスクの一部に「SHARP」のロゴをつけたマスク、とってもかっこいいからたとえ送料込みで4000円近くになっても買いたかったです。

そもそもアクセスの多さが原因であればアイリスオーヤマはなぜ販売中止にならないんでしょう?

なぜ販売中止にまでなったかというと、販売サイトへのアクセス過多によるサイトダウンだけではない原因がありそうでした。原因を分析すると以下の3点に集約できます。

  • 販売サイトへのアクセス集中
  • 購入フローに会員登録が必須
  • IoT家電などへの影響

いつも嫁に尻に敷かれているITエンジニアが解説していきます。

4/27日に抽選方式で再開することが発表されました!やったー!なぜ再開できるようになったかは以下の記事で詳しく説明しています。

おススメの読者様

・マスク戦争に参加している方  

・IoT家電になぜ影響がでるのか気になる方  

マスクを買ってこいと奥さんに脅迫されている旦那様

アクセス数の急激な増加

上昇

ウェブサイトが耐えられる負荷は決まっている

東京オリンピックや人気のチケットなどをインターネットで購入しようとした人なら経験があるかもしれませんが、Web サイトはある一定のアクセスを超えると全く応答できなくなることがあります。

厳密に言うとアクセスが急激に増えた場合に、ウェブサイトが陥るパターンは3つあります。

  • 動きが遅いものの、時間が経てばページが表示される
  • どんなに待ってもページが表示されず、謎のエラー画面が表示されるものの、一生懸命繰り返すと表示される時もある
  • 何度繰り返してもエラーにしかならない

上の二つはサーバーに負荷がかかっているものの、まだ完全なタウンはしておらず、セコセコ頑張って皆さんのアクセスに応えようとしている健気な状態です。

しかしサーバーにも諦めるタイミングが来ます。同時接続数が限界を超え、持っている処理能力ではさばききれないリクエスト数がきてしまうと「もう無理っす!やーーーめた!!」といきなり仕事を放棄します。

こうなってしまうとどんなに私たちが鬼の形相を変えてシャープのサイトを連打したとしても、つながることはないのです。

シャープのITエンジニア様がサーバを再起動して、再度リクエストを受け付けるように立て直す必要があります。(たいていは自動で再起動するように仕込まれていますが。。今回は果たして。。?)

では同時接続数や、処理能力をあげれば解決するのでは?と思う方もいらっしゃると思います。

サーバのスペックを上げるのはそこまで難しくないものの。。

同時接続数を上げるにはサーバの数を単純に増やす、処理能力を上げるにはマシンのスペックを増強するだけでOKです。

もちろんお金はかかりますけどね!クラウド環境(AmazonやMicrosoftなどのサーバを借りて運営している場合等)であれば特に、サーバの増強はボタン1つでできたりします。

お金をかけて、屈強なお家で構えていれば翌日も販売できるのでは!!と思った「ア・ナ・タ」

今回のシャープではそうはいかない、見逃せない事象が起きていました。

それは前述した

マスクの購入には会員登録が必須

IoT家電への影響が出てしまっている

なぜこれらがマスク販売の一時停止に追い込んでしまう原因になるのでしょうか?次から詳しく解説していきます。

購入フローに会員登録が必須

フロー

アイリスオーヤマとの比較

なぜすぐにシャープがマスクの販売を一時停止しなければならなかったのでしょうか。それは「会員フロー」が必須であるということが一つの原因です。

アイリスオーヤマと比較してみるとよくわかります。

シャープは、商品の購入より前に、事前の会員登録が必須です。それに対して、アイリスオーヤマは会員登録は必須ではなく、商品を選んだ後に住所や決済手段を手動で入力し、購入する仕組みです。

シャープ型のメリットとしては、購入時に個人情報を入力しなくてもスムーズに買うことができます。買うたびに個人情報を入力しなければいけないのは、なかなか厄介ですし手間ですよね。

さらに、会員登録をしてもらうことでメルマガだったり広告媒体でリピートを狙うこともできます。シャープの狙いとしては、ただマスクを買ってもらうだけではなく、新規の会員数を増やすことも大事な目標だと思います。

ただし、今回その「会員登録」がサーバ負荷が原因で行えない事態にまで発展してしまいました。

sharp cocoromembers公式サイトより

会員登録できないと何が起きる?

会員登録ができないとどういうことが起きるでしょうか?

アイリスオーヤマの場合、事前の会員登録が必要ではないので、たとえサーバが重かったとしても、何度もリトライすればやがて買うことができます。(数時間は頑張りましょう。。!)

しかし、シャープは会員登録が必須です。そのため、そもそも購入する資格を持てない人があふれてしまったのです。企業としてはこちらを放置することはできないでしょう。。

会員登録ができない = 商品を絶対に購入することができないのです。。

マスク販売前から、Twitterでは会員登録すらできない方の声であふれて言いました。

販売を再開するにあたっては、会員登録を問題なく行えるようにシステムを増強するなり対策が必須となっています。

ポイント

  • 会員登録がマスクの購入に必要でしたが、会員登録自体ができない事態になっていました

そして、今回シャープのマスク買えない騒動は、思わぬ身内のサービスにボディーブローを打ち込んでいたんです。

IoT家電などへの影響

スマート家電・ホーム

シャープ製IoT家電が不具合

マスクの販売を一時停止してしまった原因の一番大きなものは、「シャープ製IoT家電」に悪影響を及ぼしてしまったことです。

IoT家電とはスマート家電とも呼ばれていますが、インターネットに接続してる家電のことで、AIをはじめとするかっちょよいサービスを受けられる家電のことです。(語彙力すみません)

最近では冷蔵庫の中身を把握してメニューを提案したり、監視カメラの映像をスマートフォンで見たりすることもできますよね。

シャープも類にもれずIoT家電をたくさん発売しています。

シャープ コーポレートサイトより

これらの製品はインターネットを通じて、シャープのサーバ(AI)にアクセスし、私たちにいろいろな情報を与えてくれます。

そんなシャープのIoT家電が、マスク販売に伴って不具合が頻発することになってしまいました。

シャープのマスクで鯖落ちしてIoT機器死んでるの猫用トイレ(アプリでトイレ行った回数とか見られる)まで影響受けてるのワロタ。スマート家電とは…

twitter@waseda

なんでマスクを販売しただけで関係なさそうなIoT家電が使えなくなってしまう事象が起きるんでしょうか?

それはシャープが作ったサーバの構成に秘密がありそうです。

販売サイトとIoTのサービスが同じサーバを利用している可能性

マスクの販売サイトがダウンすると、IoT家電に影響がでるということは、販売サイトとIoTが利用しているサーバが同居している可能性が高いです。通常であれば、サービスごとにサーバを分けるのが普通です。

なぜなら、片方に負荷がかかってしまうと、もう一方のサービスにも影響が出てしまうからです。「サーバ=お家」としてわかりやすく説明していきます。

まずはお家がきちんと分かれている場合です。お家では「小人」が働いていて、リクエスト依頼があると一生懸命対応していますよ。

販売サイトとして動かしているお家はマスクを求める民衆でごったがえしています。もう燃えてしまっていて、小人の数も全然足りていない状態です。

一方IoT家電からのリクエストを受付するIoT家電用おうちはどうなっていますでしょうか?

IoT家電からのリクエストしか受け付けていないので、販売サイトのお家がこんがり燃えようが小人が足りていなかろうが「関~係~ないさぁ(大西ライオン風)」

これがもしも、販売サイトとIoT家電用のお家が同じだったら何が起きますか?

販売サイトのマスク対応でおうちが燃えてしまいました!マスク対応に小人が追われて家電たちからの応答もできなくなってしまいました。

まさしく「共倒れ」の状態です。マスク対応が忙しくなるとIoTにも影響がでてしまうというのは、本来想定されていなかったと思われます。なぜなら、マスクを販売するまでは、「同居」した状態でも十分におうちの小人で対応ができてしまっていたからです。

マスク販売時になにかしらの負荷テストは実施されたとは思いますが、IoTに影響がでることまでは考えていなかったのでしょうか。。

サーバの構成を変更するのは時間がかかるのです

よっしゃ!じゃあ販売サイトとIoTのサーバを分ければいいんだね!すぐに解決じゃけん!

とはなりません。

おうちの大きさを変えることは簡単ですが、おうちの構造を変えるのは時間がかかるんです。。また設計図を書き直さなければいけませんよね。

これが一時的にシャープが販売自体を停止してしまった一番の大きな原因と思われます。

まとめ:販売再開までは少し時間がかかるかも

まとめ

マスクの販売開始までにはまだ障壁が残っていることをつらつらと書いていきました。※あくまでも筆者の見解です。

  • 会員登録が誰でもできる状態まで回復すること
  • IoT家電をはじめとする、他SHARPサービスへの影響をなくすこと

マスクを国産で販売していただけるだけで価値があります!SHARPさん、待ってるからねー!!

どうかみなさん、買えないストレスでSHARPを責めることだけはしないでくださいね。。中の人たちが恐らく昼夜を問わず働いている状態と思います。。気長に待ちましょう。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

カテゴリー: IT

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